おばあちゃん。

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昨日は敬老の日でしたね。
眠る前におばあちゃんの事を少し思いだしました。

おばあちゃんはおじいちゃんが亡くなった後、長く一人暮らしをしてました。
死ぬまで、着物を扱う仕事をし、自身も毎日着物。
口数は少ないけど、いつも火鉢の前で頬づえをついてキセルを持って微笑んでいます。
高校生の何も分からない私でも、何か凄みを感じる粋な人でした。

一人暮らしを心配する母のいいつけで、私はいつしか学校帰りにおばあちゃんの家に寄り、
夕飯を一緒に食べる事が2年程続きました。
(その時の事はよく思いだします。→過去記事谷中散歩

路地裏の小さな漬け物屋さんでお使いを頼まれ、買って戻ると、夕飯はいつも決まって同じ。
麹漬けの焼き魚(私は銀ダラがお気に入り。)
買って来たばかりの漬け物(夏は茄子漬け。冬はたくわん。)
ごはん(お鍋で炊いたもの)
お味噌汁(わかめと豆腐、だいこん、もしくはなめこ)
頂き物の瓶詰め

食べ終わると、おばあちゃんは必ずキセルを吸います。
おばあちゃんなのに不良みたい・・・って不思議な気持ちで見てました。

特に会話もなく、ごろごろとする。
思春期の私にかまわない感じが、家にいるより居心地が良かった。

そして20時には決まったバスに乗って帰ります。
バスに乗っておばあちゃんの家の前を通ると、来るバス来るバスに手を振っているおばあちゃんが通りに小さく立ってます。
そんなおばあちゃんに私が乗ってる事を知らせたくて、窓際ぎりぎりでそっと窓を叩いてみるけれど、気付いているのかいないのか・・・

毎日,その見送りは続きました。
恥ずかしくて、悲しくて。

最後は、小さい背中を私にもたれて、小さく何回も咳をしていました。
肺癌で亡くなりました。

高校生だった頃には理解できなかったな・・
強くて優しくて悲しいおばあちゃんの表情。
ひとりで生きて行く事。

今なら、少し分かる気がする。

かっこいいおばあちゃんの孫で良かった。


by motti-alegre | 2011-09-20 10:49 | 雑感